🌳 世界樹チェックリスト
KANTAI PROJECT — Global Multi-Asset Synthetic Swap DEX
1 DEXとは何か — 分散型取引所の仕組み
DEX (Decentralized Exchange) は、中央管理者なしでトークン交換を行う仕組み。CEX(中央集権型)と異なり、ユーザーは自分のウォレットから直接取引する。
AMM(自動マーケットメイカー)
AMMはオーダーブックの代わりに数式で価格を決定する。代表的な式は x * y = k(Constant Product Formula)。
AMM Constant Product: x * y = k
Trader
ETH を送る
➔
Liquidity Pool
x * y = k
価格が自動計算
➔
Trader
USDC を受け取る
流動性プール(Liquidity Pool)
LPは2つのトークンをペアで預け入れ、取引手数料の一部を報酬として受け取る。
Liquidity Pool の構造
Token A (ETH)
100 ETH
50% of pool
⇄
Swap
手数料 0.3%
Token B (USDC)
200,000 USDC
50% of pool
オーダーブック型 vs AMM型
| オーダーブック型 | AMM型 |
| 代表例 | dYdX, Serum | Uniswap, Curve |
| 価格決定 | 買い注文と売り注文のマッチング | 数式(x*y=k 等) |
| 流動性 | マーケットメイカーが提供 | 誰でもLPになれる |
| ガス効率 | 高い(多くのtx必要) | 比較的低い |
| スリッページ | 小さい(流動性次第) | 大口取引で大きい |
2 合成資産(Synthetic Assets)とは
合成資産は、現実の資産(株式、金、外国為替等)の価格に連動するオンチェーントークン。実物を保有せずにエクスポージャーを得られる。
仕組み:担保を預けて合成トークンを発行(Mint)
合成資産の発行フロー(Synthetix方式)
User
担保を預ける
SNX / ETH
➔
Vault
担保率チェック
C-Ratio ≥ 150%
➔
Mint
sAAPL発行
Apple株連動
➔
Trade
DEXでスワップ
担保モデルの比較
担保率(Collateralization Ratio)の比較
| プロジェクト | 担保モデル | 担保率 | 清算 |
| Synthetix | 過担保(SNXプール) | ≥ 400% (V2) / 150% (V3) | 自動清算 |
| UMA | 楽観的オラクル | ≥ 120% | 異議申立で清算 |
| Mirror (停止) | 過担保(UST) | 150% — UST崩壊で破綻 | 自動清算 |
UMAの楽観的オラクル
UMAは「嘘をつかなければ安い」設計。価格データの異議申立がなければそのまま採用し、異議があればDVMで投票解決。
UMA 楽観的オラクル フロー
Proposer
価格を提案
+ボンド預託
➔
Challenge Period
2時間
異議なし?
➔
Accept
価格確定
↓ 異議あり
DVM Vote
UMAトークン保有者が投票
➔
Resolution
正しい側がボンド獲得
3 オラクル(価格フィード)の仕組み
ブロックチェーンは外部データを直接取得できない。オラクルはオフチェーンの価格データをオンチェーンに届ける橋。
なぜオラクルが必要か?
The Oracle Problem
Off-Chain (外部世界)
株価・為替・コモディティ価格
Oracle (橋渡し)
Chainlink / Pyth / API3
On-Chain (ブロックチェーン)
スマートコントラクトが価格を参照
Chainlink の仕組み
複数の独立ノードが外部APIから価格を取得し、オンチェーンで集約(Aggregation)。分散型で改ざん耐性が高い。
Chainlink Data Feed Architecture
Binance API
Coinbase API
Kraken API
各ノードが独立に取得
Aggregator Contract
中央値を算出
Chainlink vs Pyth
| Chainlink | Pyth Network |
| 更新モデル | Push型(定期更新) | Pull型(必要時に取得) |
| 速度 | ~1分(Heartbeat) | ~400ms |
| コスト | ガス代がかかる | ユーザーが更新時に支払う |
| 対応アセット | 数百+ | 株式・コモディティも対応 |
| 実績 | 最も使われている | Solana発祥、EVM対応中 |
4 スマートコントラクトとトークン規格
スマートコントラクトはブロックチェーン上で自動実行されるプログラム。トークン規格はその「共通ルール」を定義する。
主要トークン規格の比較
⚪
ERC-20
Fungible Token Standard
- 代替可能(1 USDC = 1 USDC)
- transfer, approve, balanceOf
- DeFiの基盤トークン
- 合成資産に最適
🎨
ERC-1155
Multi-Token Standard
- FT + NFT を1コントラクトで
- バッチ転送でガス節約
- ゲームアイテムに最適
- 複数ID管理
🔒
Soulbound Token (SBT)
Non-Transferable Token
- 譲渡不可(Soul = 魂)
- 身分証明・資格認定
- 信頼スコアに利用
- ERC-5192ベース
KANTAIでの使い分け
KANTAI PROJECT のトークン設計
ERC-20
合成トークン
sAAPL, sBTC etc.
+
ERC-1155
実績バッジ
取引回数 etc.
+
SBT
KYC不要の信頼
レピュテーション
スマートコントラクトのスタック
KANTAI コントラクトアーキテクチャ
Frontend ウォレット接続 + Swap UI
SwapRouter.sol スワップ実行ロジック
SynthFactory.sol 合成トークン発行/焼却
Vault.sol 担保管理 + 清算
OracleAdapter.sol 価格フィード接続
5 L2チェーン — スケーリングソリューション
L2(Layer 2)はEthereum L1の上に構築され、高速・低コストなトランザクション処理を実現する。主にRollupという技術を使う。
Rollup の仕組み
Rollup: L1にデータを「まとめて」投稿
Users
L2でTxを実行
➔
L2 Sequencer
Txをまとめる
バッチ処理
➔
L1 (Ethereum)
圧縮データ投稿
セキュリティ確保
Optimistic vs ZK Rollup
| Optimistic Rollup | ZK Rollup |
| 検証方法 | 不正証明(Fraud Proof) | 有効性証明(Validity Proof) |
| 出金時間 | 7日間のチャレンジ期間 | 数分〜数時間 |
| EVM互換性 | 高い(既存コード流用可) | 改善中(zkEVM) |
| 代表例 | Arbitrum, Base, Optimism | zkSync, StarkNet, Polygon zkEVM |
Base / Arbitrum / Polygon 比較
Base
種類: Optimistic
ガス代: ~$0.01
TPS: ~2,000
運営: Coinbase
新規ユーザー流入が多い
Arbitrum
種類: Optimistic
ガス代: ~$0.02
TPS: ~4,000
運営: Offchain Labs
DeFi TVL最大
Polygon
種類: Sidechain + zkEVM
ガス代: ~$0.001
TPS: ~7,000
運営: Polygon Labs
企業導入実績が豊富
| 項目 | Base | Arbitrum | Polygon |
| 開発ツール | Hardhat, Foundry | Hardhat, Foundry | Hardhat, Foundry |
| ブリッジ | Base Bridge | Arbitrum Bridge | Polygon Bridge |
| DeFi生態系 | 成長中 | 最も成熟 | 幅広い |
| KANTAIに向いている理由 | 新規ユーザー多、Coinbase連携 | DeFi基盤が厚い | ガス極安、zkEVM将来性 |
6 法的設計 — 日本法とDEX
日本でDEXを運営するには複数の法律をクリアする必要がある。特に資金決済法・金融商品取引法・賭博罪の3つが重要。
関連法律の整理
日本のクリプト規制マップ
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資金決済法 — 暗号資産交換業の登録が必要? 「合成資産」は暗号資産に該当するか?
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金融商品取引法(金商法) — 合成トークンが「有価証券」「デリバティブ」に該当すると、第一種金商業の登録が必要
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賭博罪(刑法185/186条) — 予測市場型の合成資産は「賭博」と判断されるリスク
✓
資金移動業 — ステーブルコイン(電子決済手段)を扱う場合に該当する可能性
ToyDEX方式:法的リスク回避の設計
KANTAIが検討する「ToyDEX方式」は、合成資産をゲーム内ポイント(ToyMoney)として設計し、法的リスクを最小化するアプローチ。
ToyDEX 方式 — 法的リスク回避フロー
入金
ETH/USDCを預託
➔
ToyMoney発行
プール内専用ポイント
法的に暗号資産でない
➔
Swap
ToyMoney同士の交換
「ゲーム内取引」
➔
出金
ToyMoney→ETH/USDC
回避ポイントの整理
ToyDEX方式の法的ポイント
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暗号資産交換業の回避 — ToyMoneyは「暗号資産」でなくプール内ポイント。交換業登録不要の可能性
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金商法の回避 — 合成トークンを「仮想的なスコア」として設計。有価証券・デリバティブに非該当
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賭博罪の回避 — 「予測」でなく「ポジション管理」。射幸心の煽りを排除した設計
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注意点 — 形式だけでは不十分。実質的に「投資性」があると金融庁は実態で判断する
| 法律 | リスク | ToyDEX方式の対策 |
| 資金決済法 | 暗号資産交換業登録 | プール内ポイント ≠ 暗号資産 |
| 金商法 | デリバティブ規制 | スコア型設計で非該当 |
| 賭博罪 | 刑事罰リスク | 射幸性排除 + ポジション管理 |
| 資金移動業 | 電子決済手段規制 | ステーブルコイン直接発行しない |
🌳 世界樹チェックリスト
上記の知識をベースに、KANTAIの開発を進めよう